平口洋代議士は、去る6月23日(火)13時15分、舛添要一厚生労働大臣に、続いて16時50分、河村建夫官房長官に会い、「有床診療所の活性化を目指す議員連盟」(会長 山崎拓 事務局長 冨岡勉)の一員として、有床診療所の活性化についての申し入れを行ないました。
この議員連盟は、有床診療所を活性化させ、地域医療の充実を図るため、平成18年に結成されたものです。
「有床診療所」とは・・・・
医療法では、ベッド数が20以上のものを病院、19以下のものを有床診療所と定めています。このように有床診療所は病院に比べて小規模ではありますが、地域医療の発展、向上に大変重要な役割を果たしています。ピーク時の昭和46年には3万62箇所ありましたが、その後減少し、平成19年には1万2399箇所に減少しています。特に近年の減少傾向は激しく、毎年約1,000箇所が閉鎖に追い込まれています。有床診療所を今後どうするかは地域医療の大きな課題になっています。
有床診療所の役割
有床診療所は、次のような役割を果たしています。
(1)急性期医療・専門医療を担って病院の負荷を軽減し地域医療の崩壊を防ぐ役割
(2)地域病院からの早期退院患者を含めた患者の受け皿となる施設
(3)在宅医療の後方支援として病床活用が可能な施設
(4)終末期医療などのニーズが高まる分野への貢献
(5)離島・僻地では唯一の入院施設等としての基幹的医療施設
平口議員が国会でただす!
平口議員はこれに先立って、平成21年2月19日、衆議院予算委員会分科会で有床診療所について質問をし、舛添厚生労働大臣からは「一番大事なのは、現場の皆さん方の声を聞きながら、その機能を高めていくことです。みんなで力を合わせて医療崩壊に対応しなければならないのでさらに努力していきたいと思います。」という答弁を得ています。今日の申し入れはこれに引き続いて行なわれたものです。
申し入れの内容は以下の通りです。
有床診療所の活性化を目指す議員連盟 提言書(要旨)
- (1)
- 病床の有効活用と明確な位置づけ
有床診療所の病床は、最大19床と小規模であるにもかかわらず、一般病棟と療養病床とで看護配置基準が異なるなど病床の使い勝手が悪くなっています。有床診療所が充分に機能を発揮し、地域医療を支えることが可能になるような病床のあり方を検討すべきです。有床診療所の病床は「病院病床」とは別のものであり、地域医療を支援する病床として活用するのが望ましいと思われます。
- (2)
- 地域連携の新たな取り組み
有床診療所が地域の無床診療所などとのより積極的な地域連携をとることで、病床の有効利用が可能になります。有床診療所が地域連携の拠点となり、その病床を開放型病床として利用することなどにより連携を強化すべきです。
- (3)
- 改正医療法と診療報酬との整合性
有床診療所は、病院や介護施設と比べて、不利な面が多く、これが経営を圧迫しています。診療報酬改定において有床診療所は「病院」と「介護施設」の中間程度の評価がなされるべきです。入院基本料、入院料など、適切な水準にすべきです。
- (4)
- 医療計画における病床規制の撤廃
医療法の改正により、有床診療所は新規開設が制限されています。これを改めて、地域に必要な小規模な病床は届出のみで開設を認めるべきです。
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以上の提言を推進するため、早急に総合的・体系的施策を明らかにされ、速やかかつ先行的な実施をされるよう強く要請します。 |